
Vol.6
Vol.6
あの日の一夜に寄せて

三月十一日の大地震から、一週間が過ぎました。あの日、私は、友人と銀座で久しぶりに会い楽しいひと時を過ごしていました。
突然今までにない大きな揺れに襲われました。道路を歩行できるようになり、皆で東京駅に向かいました。その時友人が、多分電車は止まっているでしょうからと東京會舘でお茶を飲んで様子を見ましょうと言いまして喫茶室に入りました。
それから朝まで過ごさせていただくことになりました。本当に有難うございました。感謝の気持ちは一生忘れません。暖房のきいた室内で、新鮮でおいしい水を用意してくださり、何より有り難かったのはトイレを使用させていただいたことです。携帯電話の電池が切れ、公衆電話も使用できました。後に友人と地震の時のことを話し合いました。都内でも歩いて四~五時間かかったそうです。私は鎌倉に住んでいますので、とても歩いては帰れませんでした。
皆から、いい場所に泊まれて本当に幸運だったと言われました。これからのお祝い事、会合のある時はぜひお願いしましょうと話し合っています。お礼の手紙が遅くなりまして申し訳ございません。従業員の皆様にくれぐれも有難うございました、とお伝えください。
松井 都紀子様